私は、少し長めの学生時代を経て、会社員として就職、退職後はフリーランスとして独立。
今は大阪にオフィスを構えているものの、ほとんど出勤することはない。
家に居たい日は家に居るし、カフェにパソコンを持ち込んで仕事をすることもある。
それは、好きな時に、好きな場所で、好きな人と働くワークスタイルを確立したから。
働く時間も、働く量も、収入も自分でコントロールできる自由な生活を送ることができている。
「自分の意思で自由に選択できる=自分らしい生き方」
ができていることに、清々しく幸せを感じている今だからこそ伝えられるメッセージがあるとすれば、
私にも、もがいていた20代があったということ。
以下は、2016年春に大学主催のシンポジウムに登壇させていただいたときの、
法学部の学生さんへ向けたメッセージをまとめた内容である。
もくじ
「何になるか」ではなく「どのように生きるか」で職業を選択できる時代
学生の時、わたしは、いまある職業のうちの何かにならなければいけないと思っていた。
それが自立することだと思っていた。
でも、実際は違っていた。
会社員になったらお給料はもらえるけれど、
企画を通しすために、人の顔色を伺ったり、
長いものに巻かれたり、時にはお世辞だって言う・・・
それが苦痛と思ったときに、
会社という組織に「依存」して生きている自分に気づいた。
それだと、「自立」しているなんて言えない。
なぜなら、他人の評価を気にして、他人に寄りかかって、他人に判断を任せて生きているから。
会社に就職したからって自立できるわけじゃないのだ。
もちろん、会社での仕事や組織での仕事に生きがいを持っている人もいる。
組織があるからこそ、影響力をもってできることもたくさんある。
ただ、その時のわたしには、「ヤリガイ」はあっても
「イキガイ」みたいなものを感じることができなかった。
大学に入ったからって、会社員になる必要もないし、
法学部で法律を勉強したからって、弁護士や公務員になるのが全てではない。
大学院で博士号をとったからって、学者にならなくてもいい。
個人として活躍できるインフラがこれほど整っている今、選択肢は無数。
人の作ったレールの上で、何かに依存して生きるより、
自分の力、生きる力をつけたほうがずっと自由で、ハッピーなライフを送れることもある。
それは、「好きなことで仕事をしよう」なんていう、
甘ったるくて、強がりで、魔法じみた大人の言い分ではない。
自分の人生で大切にしたいことを大切にし、
生きがいを感じながら働く、ライフワークという生き方。
自分らしい生き方を自分でデザインするという、エキサイティングな生き方がある。
会社員、弁護士、公務員、学者・・・選択肢はそれだけではない。
人の数だけ生き方があるように、人の数だけ働き方がある。
「そんなこと言ったって、どれが自分に合った生き方なの?」
それを知るためには、「自分の幸せとは何か?」という基準を確立する必要がある。
今考えているあなたの「シアワセ」は、親の、先生の、世間の、社会の基準かもしれない。
「そんなことない!」なんて決めつけないで、一度真っ白になって考えてみてほしい。
考えれば考えるほど、モヤモヤ、イライラするかもしれない。
それは、大人に依存して、寄生しながら生きてきた私たちが自立するために受ける洗礼。
職業は目的ではない。
自分らしく生きるためのツールであり手段。
自己承認欲を満たすためになるものでもなければ、
親のためになるものでもなく、
将来の不安を和らげるためになるものでもない。
人生をかけてやりたい何かや、創りたい世界のために選択するものが、職業。
それは、会社員や公務員なんていう既存の職業かもしれないし、
自分で創りだすものかもしれない。
そのために大切なのが、「自分とは何か」、「自分の幸せとは何か」を知ること。
そのために、30代のわたしが考える、学生のうちにしておきたい5つのことを紹介してみたいと思う。
1 失敗を恐れず、チャレンジし続ける
私の人生なんて、見る人がみれば、失敗の連続。
小中高と生徒時代には痴漢に遭いまくるし、
先生からは、殴られ、蹴られ、投げられる日々(笑)
高校卒業後もストーカーには、2人から遭うし、
司法試験には3回落ちるし、
公務員試験では落ちるはずのない最終面接で不合格。
なれない会社勤めでは体調を壊しまくって、先のことを考えず退職する。
って、辛いこともあったけど、失敗とも思ってなかった。
「のど元過ぎれば熱さ忘れる」じゃないけど、
今となっては全てネタでしかないし、
その過去がなければ、今のわたしはいないと断言できる。
だから、過去のすべての出来事は、意味があるし、なくてはならない財産。
どんな失敗もおそるるに足らず。
死ぬ以外の失敗はかすり傷でしかない。
もしあなたが、今やりたいけど我慢してること、恥ずかしくて言いだせないことがあるなら、
失敗したっていいから、恥をかいてもいいから、やってみたらいい。
どうせみんな自分のことに必死で、あなたのことなんて見ていないし、しないことの責任なんて誰もとってくれない。
はっきりいってやったもん勝ち。
たまたま出逢った新聞記者に物の書き方を教えてもらったり、
弁護士にまとわりついて法廷見学させてもらったり、
よくわからない研究会に出席して、よくわからない議論に首を突っ込んでみたり、
そのうち、NPO法人設立メンバーに入れてもらえたり。
などなど、ずうずうしさがかわいく思われるのも学生のうち。
(かわいく思ってくれていたはず(笑))
「なんでここにいるの?」って聞かれて、「なんとなく」と答えられるのも、
わからないことを、「意味わかんない」と堂々と言えるのも、
ある意味、学生の特権。
しがらみのない今のうちに、経験という財産を増やしてみてほしい。
2 思いっきり恋愛する
「草食系男子」なんて言葉が出てしばらく経つが、恋愛ほどわけのわからないものはない。
ヒトといえども動物であるから、後世に遺伝子を残すために、性的欲求が備わっている。
どうやらその関係で、「恋愛」なる感情が芽生えるらしい。
だから、特定の異性(じゃない場合もあるけど)のことを考えると、
ある種のホルモンや神経伝達物質などが分泌して
ハイになったり、ローになったりする。
30過ぎてウダウダ、ドロドロ、ドッタンバッタンしてたら、寒すぎるから、
学生のうちにそういうアンコントロールな人間の謎に触れておくことをおススメしたい。
人を好きになると、相手を支配したくなったり、支配されたくなったり、
ネトネトした感情が出てきたり、異様にいらいらしたりする。
肉体的には接近しても、精神的には繋がれなかったり、
運命の人と思っても、相手の気持ちが読み取れなかったりする。
恋愛ほど、自分以外の誰かに接近できることってないから、20代のうちに存分に楽しんでおいたほうがいい。
そんな揉めやすい要素満載の恋愛だから、それにまつわる法律もいろいろある。
それが、社会的なものさし。法学部にいるついでに学んでみて。
学生にとって、企業買収についてはイメージできなくても、恋愛についてはイメージしやすいはず。
で、そんな感情渦巻く世界で、バランスをとれるようになったら、
あなたは精神的に立派な大人の仲間入り。
恋愛を通して、自分がどんな類の人に受けがいいかわかると、自分がビジネスするときのヒントにもなるしね。
ちょっと打算的かな(笑)
3 「好き」「嫌い」の感性を大切にする
大人になるとシガラミが多い。
いろんな人のいろんな立場に留意していると、何が何だかわからなくなる。
そのうち、自分の意見を殺してうまくいくのであれば、その方が楽な気がしてくる。
本当は、それがストレスの原因。他人の思惑に囚われて、自分を薄めてしまうと、息苦しくて、生きるのも辛くなる。
すると、自分は何が好きで、何が嫌いで、何が心地よくて・・・という自分の感覚がわからなくなってくる。
だから、自分を見失わないためにも、今のうちに自分の感性を知っておく。
人に合わせ過ぎない。
自分を押し殺さないと付き合えないトモダチなんて、
友だちじゃないでしょ?
4 人生をより良い方向に導いてくれるオトナに出逢う
私は、小さいころから、あまりオトナを信用してなかった。
だけど、いい面も悪い面も見せてくれたのはやっぱりオトナだった。
オトナは人生の先輩。だから、豊かな知識や経験がある。
そんなオトナの中でも、魅力的で、信頼のおける人を探してみてほしい。
1人に絞る必要はなくて、部分的なロールモデルとなってくれる人。
そういう人は、的確なアドバイスやヒントを与えてくれる。
私もたくさんの信頼できるオトナに出逢ってきた。
*人との関係性の築き方のお手本になってくれる人、
*話し方のお手本になってくれる人、
*働き方のお手本になってくれる人
*生き様のお手本になってくれる人
*立ち居振る舞いのお手本になってくれる人
などなど
その人そのものになりたいと思わなくても大丈夫。
あとで、違う理想のカタチをみつけてもいい。
だから、「この人みたいになりたい」「生き方のヒントにしたい」
そう思う人との出逢いに、敏感になってほしい。
出逢いは、自分と違う視点を得ることでもあるから。
高校生のころまでは、知っている大人といえば、
家族、親せき、近所の人、習い事の先生、学校の先生くらいなもの。
大学生になって、行動範囲が広がると出逢うオトナも格段に多くなる。
高校生の頃の私は、女性の職業といえば、
看護師、保育士、OL、秘書、キャビンアテンダントみたいな、
誰かのサポートや事務的な仕事のイメージがあった。
リーダーになるような女性は、男勝りで、口が強くて、融通が利かなくて・・・
そういう風に強がらないと生きていけないと思っていた。
だけど、大学に入って活動の場を広げていくと、
大手新聞社のデスクとして記者のマネージメントをしている女性や、
弁護士として自分のやりたい仕事に不器用だけど誠実に向き合っている女性、
教授でいつも好きなこと言ってるのになぜか人を傷つけない不思議な女性に出逢った。
しなやかで、自然体で、自分を大きく見せようとしないその方々に出逢って、
私の勝手な女性のリーダー像や、ステレオタイプはもろくも崩れ去った経験がある。
そう、世間は広いのである。
若いということはいいこともあるけど、その分経験が少なく、
自分で思っている以上に、知っている世界は狭い。
いまは、そこまで偏った考えの人はいないかもしれないけれど、
テレビや本で見るのと、実際に出逢うのではやはりインパクトが違う。
だから、そういう出逢いに敏感になって、感性を高めてほしい。
5 想いを言語化してSNSやブログで発信する
書くという行為は、思いの外、本質的な自分に気づくもの。
そして、人に伝えるためには、自分のモノサシと、他人のモノサシを知ることが大切。
モノサシとは、判断基準のこと。
自分のモノサシは、前に述べた1~4で確立できてくる。
そして、他人のモノサシは、法を学ぶことで習得できる。
法とは、憲法だったり、法律だったり、社会のルールだったり、
法則だったり、哲学だったりする。
わたしは、知識が欲しくて法学部に入ったけど、
実際に得たものは、本質を見る力だった。
(まだまだ修行中だけど。)
法を学んで、社会の枠組み、物事に正解はないこと、論理と実態は違うこと、
その中は合理性で動いていること、合理性の判断にはバランス感覚が必要なこと
を知った。
そういう思考力とセンスは、ビジネスにも欠かせない要素。
ビジネスには、社会で求められているものを感じる力が必要だから。
そういうことを大学で学ぶのもいいけれど、
実際に情報発信することで学ぶ方法もある。
それが、SNSやブログで発信するということ。
Facebookでも、Twitterでも、インスタグラムでも、noteなどの無料ブログでもいい。
発信することで、見える世界が変わることもある。
使う言語が同じというだけで、同じ価値観の人に出逢うことができる。
それも世界中の、インターネットを通さないと出会えなかったはずの人たちに。
どんなマイノリティだと思うことでも、突然伝わることもある。
自分の価値観を築くために、
いろんな輪に繋がるために、
インターネットという飛び道具を使う素養を培ってみる。
わたしも、インターネットやSNSがなかったら起業なんてできなかった。
これからもビジネスでこれらを使わないことは考えられない。
学生時代からインターネットで情報やヒントを得られるのは、大きなアドバンテージだ。
もちろん、インターネットの情報は玉石混合。リテラシーを磨くには飛び込んでみるしかない。
まとめ
私たちの生きる環境はすごいスピードで変わってきている。
3年後、5年後のことですら誰にもわからない。
ほんの数年前には、「歩きたばこ」は危険だと、路上喫煙を規制するのが流行ったけど、
いまは、「歩きスマホ」が危険だという風潮。
そんな事態になっているとは、誰も想定できていなかった。
大学に行って、就職して、結婚して、子どもを持って、マイホームを持ち、老後は退職金と年金で孫に囲まれながら過ごす・・・
なんてことを夢見ているなら、たぶん実現しない。
両親の生き方は、モデルケースにならない時代。
そんな移り行く世の中で、生きていくために必要なのは、「人間力」。
自分に力を付けないと、生きづらい世の中になる。
そんな世の中で勝負できる人間力をつけ、自分の基準を持つ強さ、
自分の意思で自分の人生を選択していく力を付けていってほしい。
あなたの幸せを決めるのはあなたしかいないんだから。
インスタやってます→ https://www.instagram.com/chihiro_yoshinaka/
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